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飲兵衛の危機



その後早乙女はしばらく(というかかなり年数)の期間フリーターをしていました。とりあえずアルバイトをしながら自分のしたいことを見直そうと思ったのです。バイト先として選んだのは主にレストラン、居酒屋チェーン、バーなどの飲食業でした。飲食業なら厨房でもフロアでも即戦力でやれる自信がありましたし、なにより深夜帯の時給のよさが魅力でした。

「やっぱこの仕事がすきなのかなー」なんて「もう飲食業に決めちゃおっかな」とか思ったこともありました。とくにバーで働いていたころはカクテルに熱中して、バーテンダースクールに入学してしまうほど仕事に夢中になっていました^^


当時は基本的にお酒を扱うところばかり選んでバイトしていた気がします。かといって酒屋で働いたことはないので、飲食店の雰囲気がすきだったということでしょう。飲食業以外のバイト経験はコンビニと、(自分はまったくやりませんが)時給のよいパチンコ屋のふたつしかありません。

すべてに共通していることは客商売ということですね。今じゃ超のつく口下手だと自覚している早乙女ですが、昔はまだそんな自分の性格に気づきませんでした。。


ただだらだらと将来のことは何も決められないまま日々は過ぎていきました。週6日はシフトに入り、ときには掛け持ちしながらバイトをし、やっとこ家賃と光熱費を捻出する、そんな生活です。
バーでなじみのお客に飲まされ、明け方部屋に帰ってきては寝る前にまたひとりで飲みなおす。昼すぎに起きてもそもそとコンビ二弁当を食べ、まだ酔いが抜けきらないまま夕方バーのバイトに行く・・・。ホントこのころはものすごい体力と気力で生きていました(笑)

しかし不規則な生活は着実に早乙女にダメージを与えていたのです。毎月バイト代は結構稼げたのですが、家賃やら食費やら抜いてあまったお金は交際費や大量のCDとお酒に消えていきました。


ある日バイトから帰り、部屋でいつもの酒飲みをしていたら腕に赤い斑点ができているのを発見しました。また吐くことも多くなり、朝から台所のシンクにしがみついてはげえげえと酸っぱい胃の中のアルコールをもどしました。
立ち仕事ということもあって腰や背中の張りも慢性化していましたし、お酒を飲むとさらに痛むという具合です。それでも家賃を払わなくてはならないからのんびり休むことはできません。食事よりも毎日のお酒のほうが大事でしたから、稼ぎが少ない月はじりじり体重が減っていくのがわかりました。


赤い斑点は飲むたび腕にできるようになりました。これにはさすがにちょっと気になってアルコール中毒症の本を買い、それを毎日お酒を飲みながら読みました。 
それでわかったことは今の早乙女はアルコール中毒ではないが、その入り口にいるということでした。斑点もやっぱりお酒が原因でした。このころの酒量は焼酎にしてストレートでボトル一本は毎日空けていました。それに加え、店でいろんなものをお客さんにごちそうになっている分がありますから「胃に穴が開くほど」という表現がぴったりかもしれません。


いまの生活を早急に改善する必要がある、と早乙女は思いました。


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