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>入居後編>猫のぬくもり>ニャンコがやって来た1話 押忍! |
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いずれペットを飼いたいと考えている(かもしれない)あなたの選択肢に猫は入っていますか? 前のページでも触れましたが早乙女は現在一匹の日本猫を飼っています。サザエさんちのタマと同じ種類のどこにでもいる雑種です。 初めて我が家にやって来たときはまだ生後2ヶ月で触れたら壊れそうなほどのちびすけでした。 知人から譲り受けたその猫に早乙女は「ポン」と名づけました。 ポンは早乙女に抱かれ部屋に着くと小さな毛むくじゃらの体を震わせながら怯え、新しい環境に慣れるまで文字通り三日三晩声を嗄らして鳴き続けました。わずか5〜6センチほどの真っ暗なソファーの下の隙間に立て篭もり、せっかく知人から作り方を教わった仔猫用キャットフードにも目をくれず、水さえ飲まずにひたすらニーニーと弱々しくも必死で何かを訴え続けていました。 早乙女はこの思いもよらない事態に途方に暮れてしまい、このままではいきなり餓死させてしまうんじゃないかと大変気を揉みましたが、きっと本当に腹が減ったら出てくるに違いないと信じ、祈る気持ちで手付かずのフードときれいな水を毎日換えていました。 果たして仔猫を部屋に迎え入れてから4日目のことです。 まだ薄暗い早朝、早乙女が物音に気づいて目を覚ますとそこにはあのポンが夢中でキャットフードを食べている後ろ姿が目に飛び込んできたのです。 ![]() その光景に一瞬ぎょっとした早乙女でしたが、ポンのじゃまをしてはいけないと思い気づかれないように布団のなかからそっと観察していました。長い一人暮らしで冷え切った部屋に小さなロウソクのような生命の温もりをもった確かな同居者の存在を、食べるのをやめるまでずっと早乙女は高揚した気分で見守りました。 そしてこの日を境にポンは.腹が空くと早乙女の足にじゃれついてご飯をせがんでくるようになり、早乙女もいそいそとそれに応えてたっぷり食事を与えるなど、ポンとの間に少しずつ少しずつ凝り固まった氷が融けだすみたいに信頼関係を築いていったのでした。それは自分の人生においてとても不思議な出来事に思えましたし、またなんとも胸が締め付けられるような愛おしさとうれしさが混在した形容しがたい心境でした。知人にそのことを話したら、「それはお前、父性じゃんか」って笑われましたけれども^^; さて早乙女が懸念していたことのひとつにトイレのしつけがあります。 本来まだ生後2ヶ月くらいの仔猫は母親にお尻を刺激してもらわなければうまく排泄することができないのですが、これは早乙女が湿らせたティッシュを使って代わりにやってあげることでなんとかなりました。それに知人宅で飼育されているポンの母親が子供たちをしっかり教育してくれていたらしく、初めてポンが便意を催したときにトイレの場所を教えてあげたら、次からは自分でちゃんとその砂の上までいくことができたものですから、感心すると同時にとても助かったことを憶えています。 内心、トイレが出来るようになるまではあちらこちらの粗相はしかたないと覚悟していたので拍子抜けしたというか、半信半疑だった「猫は綺麗好きなんだよ」の言葉もどうやら本当らしいということを早々に実感することになりました。 それからしばらくして近くの動物病院に人間で言うところの予防接種注射を打ちに行くのですが、そこで思わぬ事実が発覚しました。なんとずっと雌だとばかり思って育ててきたポンが実は雄だったのです(笑) ポンを譲り受けるときに飼い主の知人から確かに雌だと聞いていたのでそんなはずはないと先生にいったのですが、いやいやまだ小さいからわかりづらいけども間違いありませんよという返事でした。 このことをさっそく知人に報告すると、生まれた4匹を全部雌だと思っていた本人も、先日ポン以外の3匹を動物病院に連れて行ったらなんと今回と同じように全部雄だということがわかり、ポンのことも気にかけていたようで、「そうかやっぱりか」と…(´`) なんとも素で勘違いしていたらしいです。 そんなことがありながらもポンはすくすくと成長し、日増しに活発に動き回るようになりました。 ある日ソファーの上で早乙女とくつろいでいたところ、久しぶりに「うーす!」と様子を見に来た知人にびっくりしたのか、突然膝の上から飛び降りてものすごいダッシュで物陰に隠れようとした…まではいいのですが、勢い余ってワックスの利いているフローリングに足をつるりと滑らせてしまい、白いふわふわのお腹を見せながら派手に転ぶという、運動神経抜群のはずの猫にあるまじき失敗をしたりするなど、まだまだやんちゃぶりと危うさが交互に顔を覗かせている状態でした。 そしてある夏の日、ポンがとうとう事件を起こしてしまったのです。 前へ← メニュー →続き |