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>入居後編>音を受け容れる

怒らず受け容れる



アパートやマンションに付き物なのが騒音トラブルでしょう。
これを回避して暮らす方法があればだれもが求めるところだと思います。

でも残念ながらあなただけの努力ではこれを完全になくすのは不可能です。集合住宅とは壁一枚隔てて上下左右に他人が生活しているのです。
性別、年齢、嗜好も違えば物事の価値観や生活スタイルだってあなたと異なるひとたちなわけです。


現在騒音に悩んでいるひとにしてみれば、「自分はこれだけ静かに暮らしているのに、どうして皆はそれができないの?」と憤慨しているかと思われます。

だれだってそう思いますよね?

早乙女もいままで数々の騒音に出くわしてきました。
頭が痛くなるほど腹を立てたこともありますし、もうだめだ・・・と涙した夜もあります。

しかしそんな風に感情的になっても自分が消耗するだけでしたし、解決にも至りませんでした。


問題の騒音の主がはっきりしていても、怒りに任せて苦情をいってしまうとその後にとるべき手段がなくなり、自分が苦しみます。

あなたが怒ったところで必ずしも騒音がなくなるというものでもないのです。

だれかが迷惑するほどの騒音を出しているという自覚がないひとだったり、あなたの勢いにすっかり呑まれて萎縮するようなひとであれば「怒る」という行為は薦められないものの、その効力は否めないでしょうけれど、それで改善されないときはどうしたらいいのでしょうか。


この限界線を越えてしまうとご存知のように犯罪に結びつくケースだってありますよね。
そんなことであなたは犯罪を犯すべきではありません。


基本的に騒音の問題を第三者にいったところで警察も不動産屋もあなたほど頭を悩ませることはできません。
苦しみを本人に取って代わることができないからです。

ただ注意という形で騒音の主を促すことはできますが、一時的なもので終わってしまう場合が多く、ひどいときには問題の主に逆恨みをされることさえなくはありません。


一方で簡易裁判所に調停の申し立てをすれば、公の場でお互いの話し合いによる解決が望めますが、時間と手間がかかるわりには相手が出席しなかったり合意を得られないこともあります。
ただし様々な理由で調停を申し立てられた全体の約7割が3ヶ月以内になんらかの決着をしているようなので、試してみる価値はあるかもしれませんね。

でも、この方法はあくまでお互いに話し合う余地がある場合に適していて、問題が根深くこじれた後では歩み寄りは期待できないと思われます; 「調停申し立て」という行為自体にへそを曲げられたら元も子もないでしょう。


そこで、即効性があってお金も手間もかけずに改善を期待できるものといえば、やっぱり手紙だと思います。

手紙はできるだけ客観的に丁寧な姿勢で状況を述べ、あなたの苦しみを分かってもらい、解決へ導くための手段です。
決して高圧的に不満を書きなぐるすべではありません。

読み返してみて、自分がいわれたら腹を立てるようなことは書かないほうが良いです。
あくまで「どうかよろしく」という姿勢でお願いすることが肝心だと思います。


しかしこの方法ですら解決を約束できるものではもちろんないんです。

お手上げになってしまったら、いっそあなた自身の気の持ちかたを変えてみたらどうでしょうか。

騒音を出しているひとがあなたとほとんどコミュニケートのない他人だからよけい腹が立つわけで、たとえばその人物があなたの恋人だったらどうでしょうか。
なんとなく許せそうな気にもなりませんか・・・?

親や恋人なら気軽に「うるさい」といえることが、他人となるとそうもいかずに悩み、苦しみ、あなたは追い詰められているのかもしれません。

本当に同情します。


でもお茶の熱さも喉を過ぎれば忘れるように、いまの苦労も永くは続かないものです。
むしろあれこれ考え、試行錯誤しながら暮らした日々は後々あなたの良い経験になるのじゃないでしょうか。
良い薬は苦味を伴うものでしょう?

あなたは5年前、10年前にだって困難なことはあったはずです。
騒音の問題は多くのひとが抱えてる悩みであり、そういう意味では決して恐れるものではありません。


現在の状況を忌み反抗を企てるより、受け容れてしまったほうが精神的に楽になりますよ。

自分も相手も逃げ道を塞いでしまうとろくなことにならないです。
押さえつけると跳ね返るのはバネだけではないでしょう。


ただ常軌を逸脱した騒音であれば迷惑しているのはあなただけではないでしょうから、証拠を固めて大家さんに主張すれば、いよいよその重い腰を上げる可能性はあります。

大家さんにしてみれば多数の入居者に出て行かれるより、被害は少なく抑えたほうが家賃収入の面でましだからです。
逆に、多少騒音の問題はあるようでもきちんと家賃を払って建物も傷めずに生活している人はなかなか追い出せないともいえます。


皆が他人に気を配り静かに暮らせるのがいちばんの理想ですが、テレビ、ステレオ、電話といった音に意味があるものがどんどん進化していくなか、それを使うひとがマナーのかけらもなければこういった問題が増えるのは必然なのかもしれません。


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